特許の日常

菅原国際特許事務所(愛知県名古屋市)の所員のブログです。

特許図面枚数の削減と、日本・外国出願用明細書の共通化

愛知県名古屋市 菅原国際特許事務所の所員Xです。

 

今回は、特許図面枚数を削減する方法と、それに関連して日本出願及び外国出願用の明細書の共通化について書きます。

 

弊所を含む多くの特許事務所では、原稿及び図面の枚数に応じて出願費用が変動します。

近年では、お客様の費用意識の高まりを実感しており、その一つに、お客様から、できるだけ図面の枚数を減らしてほしいとの要望を受けることがあります。

日本の特許実務では、異なる図番が付された複数の図を横に配置することができず、縦に配置しなければいけません(下図参照)。この場合には、図面1枚当たりに記載できる図の数が少なくなってしまいます(下図の場合は、図面1枚に2図が示されている)。


そこで、図面枚数をできるだけ少なくする場合には、関連性のある複数の図については、同一の図番にしつつ、横に配置しています(下図参照)。この場合、各図を区別するために、1図番内においてアルファベットで各図を区別します。このようにすることで、図面1枚当たりに記載できる図数を増やすことができるので、図面枚数を減らすことができます。下図の場合では、図1の下にスペースを確保できるので、図2を入れることができます。

 

一方、日本出願の後に外国出願をする場合には、国(特に米国)によっては、1図番中に複数図を含めることができません。また、国によっては、複数の図を横に配置できます。

そこで、上記の図面を外国出願用にする場合には、Fig.1A、Fig.1Bと複数の図番に分けるとともに、これらを横に配置します(下図参照)。

 

また、外国出願する場合には、日本語の明細書を外国語に翻訳する必要があります。その翻訳に先立って、日本語の明細書を外国出願用に修正する必要があります。その修正作業を少なくために、日本出願用の明細書と外国出願用の明細書をできるだけ共通にしたほうが良いといえます。

明細書の共通化のために、1図番中にアルファベットで区分けして複数図を含ませる場合には、日本出願の段階から、明細書では図1A、図1Bと記載しています。

これによって、明細書中の図番の記載を、日本出願、外国出願で共通化できます。

 

まとめ

・図面枚数を少なくする場合には、1図番中にアルファベットで区分けして複数図を含ませるとともに、それら複数図を横に配置する。

・日本出願と外国出願との明細書の共通化を図るべく、日本出願の段階から明細書では図1A、図1Bというように記載する。

 

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